2012/06/26

いつも見ていた

 

やごはオタマジャクシを齧りながら
さざ波を立てる水面越しに
空を見ていた。

やごはいつか往く
空を見ていた。

やごはメダカを尻尾から齧りながら
格子柄の波紋を立てる水面越しに
空を見ていた

やごはいつも
空を見ていた。


※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

2012/06/17

ホテル 防波堤

 

 

海辺のホテル防波堤。
バブル末期に建設放棄された良くある話。
潮風に晒されて骨もお肌もボロボロ。
今どきいない様なヤンキーたちに人気のスポット。
お絵描き好きも集まってみんな溶剤でハッピー。
厨房の腐った酒樽で毎日晩酌。
ここに来ればみんな幸せ。
海辺のホテル防波堤。


※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

2012/06/15

ボディの旅

 

 

工場で沢山のボディが作られていました。
それらには頭と心がありませんでした。
「俺たちには何かが足りない気がする…」
それらは輸送中のコンテナに穴を開けて逃げ出しました。
何を探しているかも分からない様子で
草原を進んで行きました。


※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

2012/06/08

tokyo migration

 
 

歩く
振り返る
引き返す
振り出しに戻る
また歩く


※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

2012/06/04

死んだ金魚は

 

死んだ金魚は食べるんだって
誰が言ってたんだっけ。

ツナもピカピカ光ってて
死んだらみんなで食べるんだ。

昔むかーしから
人も人を食べるらしい。

禁止されても
美味しいから止められないんだって。

僕も死んだら
みんなで食べてくれるかな。

お別れパーティーさ。
イエイ。


※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。